『みすず学苑』
学苑長半田晴久先生が産経新聞に連載(毎週木曜日)している記事を紹介いたします。

vol.11 家庭の教育2 2003年5月8日 産経新聞より

 
記事をテキストでも紹介いたします。

家庭の教育2

子供との“新しい接し方”を研究する

 少し前に流行した言葉でいえば、高校生をはじめ今の子供は、“ジコチュー”(自己中心主義)の塊のようなもの。そんな子供たちが、自分たちを甘やかし続けてきた母親の小言に、耳を傾けるはずがないでしょう。

 しかし、生活態度に現れる現象はそんな高校生も、本当は自分の未来を真剣に考え、親や兄弟、姉妹のこと、また社会や友人のことなども、いろいろと心配したり、深くおもんばかっていることも多いのです。ただ、コミュニケーションのとり方や言葉などの表現方法が、昔とは少し違っているにすぎません。

 例えば、友人との間でなら会話が成立しているかというと、これも心もとない限りというのが正直なところで、予備校で受験生たちのやりとりを聞いていると、互いに歯車の合わない話を繰り返していることが少なくありません。それでも、当人たちは「いい付き合いをしている」と思っているのです。

 それほど今の子供たちには、コミュニケーションの能力がフォーマルではなく、メール言葉やコミックのセリフのように、感覚的な抽象言葉が多いのです。その上、忍耐力や自己決定能力が希薄になっていることも否めません。

 親から見て、そんなやっかいな子供たちと接していくうえで、なにより肝心なのは焦らないことでしょう。「よく言うことを聞いてくれた」と、引き合いに出すお兄ちゃん、お姉ちゃんの時とは全く違う、新しい接し方の研究をすべきです。

 私たちの予備校でも、単語テストができなかった生徒に、「あまりできなかったね」と、講師がごく普通に言っただけで、生徒と講師が殴り合いのケンカになったこともあります。そんな場合は、必ず「今回はあまりできなかったけど、次回は頑張ろう。きっとできるよ」と対応しなければならない時代になっているのです。

 宿題はやっていただくもの、勉強はしてくださるもの。テレビを見る見ないは、干渉してはならないもの―。

 それぐらいに思って、丁寧に前向きに励ましていると、子供たちの方から心を開き、なんでも相談してくるようになります。子供にやる気を起こさせるコツは、新しい接し方を研究すること。それが、子供に対する本当の愛情ではないかと思うのです。

 

みすず学苑 半田晴久

産経新聞
2003年5月8日

 

感想

 今回の感想は、宮本が書かせて頂きます。

 言葉とは本当に難しいということを、今回僕は感じました。何気ない言葉一つで、相手を傷つけたり怒らせたりすることは、本当によくあります。

 また、親子との関係ともなれば、どうしても感傷的になり、言葉がストレートで出てしまいます。さらに、受験シーズンという、ピリピリした状況では、さらにお互い言葉は、悪化するのではないでしょうか。
 
 僕も浪人時代を振り返れば、そうだったなと感じいっています。そんな時こそ、助け合える仲間や親がいてくれると、すごく励みになります。

 受験シーズンを向える子供がいる親は特に、息子が大切な人生の岐路で頑張っていると思って、なるべく、温かい、励ましの言葉を発して頂きたいと、僕は思いました。また、そういった関係が、この時期にできれば、信頼できる親子関係になるのではないでしょうか。

 ここまでは、あくまで僕の意見です。もし、生意気なことを言っておりましたら、申し訳ありません。

 でも、浪人時代は本当に、ピリピリして精神不安になります。こんなとき、励ましてもらったら、純粋に嬉しいなと思います。

 

 
 

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