『みすず学苑』
学苑長半田晴久先生が産経新聞に連載(毎週木曜日)している記事を紹介いたします。

vol.39 入試の心構えA 2003年11月20日 産経新聞より

 
記事をテキストでも紹介いたします。

入試の心構えA

読解力をつける極意は“文章の音読”

 今回のテーマは、「読解力をつけるには、どうしたらよいか」です。

 受験指導の中で、「長文の意味が全然わかりません」との相談を受けます。受験生の中にも長文の英文を苦手にしている人が多いようですが、その克服は「予習をきちんと行えば、大丈夫」。これが私の回答です。

 予習とは何か。極意は文章の音読。おおむね五回繰り返せば、どんな長文でも理解できるはず。知らない単語は辞書で調べ、音読を五回行えば、内容や意味は必ず分かるようになります。

 きちんと、音読ができるようならば、関係代名詞、関係副詞など文章の中で何が大事なのか、が理解できているということです。また、音読が一番脳に血が回って、頭が活性化すると大脳生理学者の川島隆太教授も言っています。

 長文が理解できないのは、極論すれば、予習が足りないだけなのです。授業に備えて、学習する文章を五回音読し、知らない単語は受験生向けの小辞書で調べる。辞書をひく習慣をつけておけば、文章の理解力も高まります。もし、小辞書に収録されていない単語は、あまり入試には出ない、と判断してもいい。

 予習と授業でのチェックを続けていると、英文になじみが出て、音読も早口言葉のように滑らかになり、黙読でも速読できるようになります。キーワードが頭に入っていると、単語の意味が類推できるようになり、不明な単語も前後関係で読解できます。入試に出題される長文であっても、特殊な内容はありません。高校生が一般的に理解できるエッセーなどが多いのです。だから、英文と長文の類型内容に慣れれば、さほど難しいものではありません。

 また、英語の長文読解力は、地道な努力を続けていると、突然飛躍的に伸びる人が多いのですが、この勉強法は入試のみならず、大学に入って英語の授業や外書講読の授業、将来の留学試験や英検、TOEIC試験でも役立ちます。

 ここは、腹を決めて、一生モノの英語長文読解力の習得に励むつもりで勉強しましょう。そのためにも、予習が初めの一歩なのです。予習も慣れれば、心楽しい醍醐味があるものです。実は「わからない、わからない」と思って頭が悩んでいるときに、読解力が伸びているのです。

みすず学苑 半田晴久

産経新聞
2003年11月20日

 

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