『みすず学苑』
学苑長半田晴久先生が産経新聞に連載(毎週木曜日)している記事を紹介いたします。

vol.5 受験校選択2 2003年3月27日 産経新聞

 
記事をテキストでも紹介いたします。

受験校選択2

教師の能力をシビアに問う必要

 

 前回、よい学校と評価される名門校の条件は「よい先生、よい先輩がそろっていること」と書きました。といって、必ずしも名門校で教鞭をとっている先生たちが、最初から優れた先生だったわけではありません。

 例え、新人のころ“箸にも棒にもかからない”と、言われた先生だったとしても、優れた先生たちのなかで研鑚を積み重ねていくなかで、成長を遂げていくものです。これが伝統というものの尊さです。その意味では、児童・生徒と同様に先生にとっても、教育環境は非常に重要な意味を持っている、といえます。

 一方、公立の中学、高校の場合は、残念ながら、粒ぞろいというわけにはいきません。もちろん公立校にも、情熱と実力を兼ね備えた優れた先生はたくさんおられます。

 公立学校の場合は、私学や塾、予傭佼のように、教師の能力をシビアに問うことは、任命権を持つ教育委員会がやっておりません。ですから結果的に、先生はサラリーマン化というよりも、お役人風になりがちです。

 そうした環境の中で、子供たちに学ぶことの楽しさ、面白さを伝える自らの職務について、真剣に研鑚を重ねる努力を忘れてしまう傾向があるのです。その結果、やる気のある先生は、己の力を持て余してしまっているのが、今の公立学校の現実ではないでしょうか。

 一般杜会でも、競争のないぬるま湯に浸っているような組織は、徐々に体質が弱体化し、お役所仕事化し、最後は淘汰されていくものです。また、そこで働く人も、少しずつ覇気を無くして、自ら腐敗して共倒れ状態になるものです。学校にも同じことが当てはまるのです。

 私は、公立校で校内暴力をはじめとするさまざまな問題が噴出しているのも、根っこの部分では、こうした構造的な問題が介在しているのではないかと思っています。

 昨年暮れに文部科学省は、都道府県と政令指定都市の教育委員会五十九のうち、十七教委が指導力不足の教員を判定する判定委員会を設けたことを公表しました。私も公立校の復権をめざすためにも、すべての教委が設置・実行することを切に望む一人です。

 ともあれ、いい学校を見つけるには、いい先生がそろっている学校を探すことに尽きます。そして、いい先輩、同級生に恵まれることです。

 

みすず学苑 半田晴久
2003年3月27日 産経新聞

 

今回の感想は私宮本が書かせて頂きます。

感想

 みすず学苑での日々は、本当に充実したもので、講師の陣容も非常に満足のいくものでした。それは、半田晴久学苑長の徹底した教育方針が貫かれていたからでしょう。この記事からわかるように、みすず学苑では教職員の指導も徹底しているように思われました。

 大学に入って思うことは、魅力的な研究成果を次々にあげていく素晴らしい先生もいれば、地位に甘んじてまったく研究をしていない教授もいるという矛盾です。ただし、これは国立大学の場合が多いです。私立大学では研究業績の査定が非常に厳しい模様で、ある意味シビアな環境にあるといえます。

 受験を終えて大学に入学した今、受験生のみなさんに訴えたいのは、「研究業績を見てから教授を選んだほうがいい」ということです。大学名・学部・学科という大枠で考えるだけでなく、その大学にどのような素晴らしい先生がいるのか。できればココをみてほしいのです。そのために、みすず学苑の先生はたくさんの有名な教授の名前を教えてくれました。こうした微に入り細に入るアドバイスをいただけるのは、みすず学苑しかなかったでしょう。半田晴久学苑長の教育方針は、本当に素晴らしいものだったと思います。

 
 

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